サラーム Arabianistaのライラです。
今日はアラビア文字の歴史とその形についてのお話になります。
アラビア文字といえば、、、「エジプトの遺跡に彫られているあのイラストみたいな文字」「線がつながっているように見えるあの文字」という雰囲気があなたの頭の中にはよぎるのではないでしょうか?あながちそれはあっているかもしれません。
いったいアラビア文字はどこらへんから始まって今の形になったのでしょうか、少しだけ歴史を追ってみたいと思います。
アラビア文字はフェニキア文字の系譜
今私の手元にある本の題名は「コーランの世界」写本の歴史と美のすべて(大川玲子著)ですが、この本には”そもそもアラビア文字はフェニキア文字の系譜に属す”とあります。
フェニキア文字(Phenician alphabet)とは:北セム系言語であるフェニキア語を表す、22文字からなる音素文字である。古代地中海世界において現在のレバノン一帯を中心に活動していたフェニキア人によって使用されていた。右から左に書かれ、1つの文字が1つの子音を表すアブジャドである。
現在使われているほとんどの音素文字はフェニキア文字に由来するとされる。(wikipedia)
アラビア文字アルファベットのことを「アルアブジャディーヤ」と表現することもありますし、右から左にかくところなどもアラビア語と似ていますね。”現在のほとんどの音素文字はフェニキア文字に由来するとされる”というところからみても、フェニキア文字は現在の文字のご先祖様的な存在なのだということがわかります。
フェニキア文字のご先祖様はいないのかなと思ったところ、ありました。フェニキア文字をさかのぼると、原シナイ文字にあたり、そのもとはエジプトの象形文字「ヒエログリフ」に行き着くそうです。
そのあたりの文字の系譜の資料はこちらの本のP13にありました。
ロシア語の音声について書かれている本ですが、日本語と英語との対象音声学に基づく解説書となっていて、日本語を話す人がどうやったらロシア語の発音をひとりで習得できるのかについて書かれた本なので、外国語を学ぶときの発音についてとても面白いと思います。
フェニキア文字のAの形
こちらの絵はフェニキア文字のAの形で、アラビア語のアリフに相当します。この文字の方向を90度右に回すと、真ん中の棒がつきぬけたAに見えるので形は残っているなという感じですね。
ヒエログリフのエジプトハゲワシ
こちらの絵はヒエログリフのエジプトハゲワシの形になります。アラビア語のアリフにハムザがついた音をあらわしているといわれます。
アラビア語のアリフにハムザがついた場合
アラビア語のアリフにハムザがついた場合の音についての説明になります。
編集後記
アラビア文字の流れをさかのぼってみたら、エジプトのヒエログリフに行きつきました。地中海周辺の文字文化というのはゆるやかに今もつながっているのだということが伝わってきます。
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