サラーム
アリフライラ書店のライラです。
秋が深まってきました。涼しい日が続くと頭もクリアーになってちょっと積読になっていた本を読み始めたりしたくなります。
かねてから気になっていた興味のあることを追いかけるのが楽しくなる季節です。
今日のライラ書店では、見て楽しむアラビア文字の書籍を紹介します。
アラビア文字の書体の歴史を見る
アラビア文字は見るだけでも楽しめます。
アラビア文字の美しさがよくわかるのが、アラビア書道です。アラビア文字の世界を楽しむ一冊で、お手頃な大きさで価格帯のものといえばこの一冊です。
クルアーンの写本の写本の資料がカラーでいくつも載っています。
例えば「岩のドーム」にある碑文。
まだ文字の読み方を示す記号が考案されていない時代のアラビア文字で素朴な感じが魅力的な文字を見ることができます。
説明の文章には「クルアーン写本のクーフィー体に類似している」とあります。
その同じP30には9世紀のイラクの写本で、獣皮紙にかかれたクーフィー体をみることができます。
文字の合間合間にえがかれた花文様がふんわりとした線で描かれているので文字が浮いているような不思議な印象を受けます。
この時代にかかれたこのアラビア文字がクルアーンのどこの部分にあたるのかということも解説にあり、意味がしりたくなったら現代語解説に当たることができるのも面白いところです。
また、この書体がかかれることになった背景の説明を読むと、もう意識がよく知らないその時代の気配をもとめてしまうというか、、、
小ぶりのトートバックにストンと入るサイズで読んでもすぐには終わらない文章量(本の中身は横3段に段組みされていて細かい記述です。)
美術博物館を一冊もってお出かけできるという感じになります。
アラビア文字の書体の全体
アラビア文字辞典、名前の通りアラビア文字についての辞典です。
最初のほうのページには各文字の「独立形」と「語頭」「語中」「語末」のそれぞれの変化が書いてありますので、アラビア文字を学びたい人にも役立ちます。
こちらの記事にも「アラビア文字辞典」を紹介したので参考にしてください。
この本で面白いところはやはり、第3章のアラビア書道の世界です。
マグリブ(モロッコ)からイラク、トルコ、インド、中国にまでわたるアラビア書道作品が紹介されていて、中国の「迷宮体」をみたら、今は社会的に役目がなくなりかけているかもしれないでも、まだ大切な文書の証明にもちいられている「印鑑」でこんなのあったら欲しいとか思いました。
見てるだけで目にせまる迫力です。黒と白だけなのに線のバランスでこんなにもエネルギーが出るようなデザインになるのか、、、とため息が出ます。
目で見た後は書いてみて楽しむのもよし
目で見るだけでもとてもとても楽しいアラビア文字なのですが、書いてみるというのはまた違った発見があっていいですよ。
こちらの画像は、今手元にある子供向けのアラビア文字練習帳です。アマゾンでもいろいろ販売しているようです。
参考までにリンクを張っておきます。
上記で紹介した書籍は英語の書籍で、単語の読み方がかいてありません。英語圏やアラブ圏で販売されている書籍は子供向けということもあり、そばにアラビア語ネイティブの大人がついているという想定のもとに恐らく作られているので、単語の読み方の説明がありません。
手前みそですが、こちらのアラビア語オンラインの書籍はアラビア語の読み方もカタカナで書いてあるので書きながら読み方も学べます。
2021.09.20アラビア書籍有料部門でベストセラーでした。手に取ってくださったかたありがとうございます。
書籍の紹介を定期的にしています、また興味をもって手に取ってくれる方がいますように。