サラーム
アラビアニスタのライラです。
今日は、アラビア文字の書体についてのお話です。
アラビア文字の美しさを表現するものとして、カリグラフィーがあります。書道ですね。
いったいいくつぐらいの書体があるのかアラビア文を開い事典てみてみましょう。
アラビア文字の書体の種類
【図説】アラビア文字事典 著者:ガブリエルマンデルハーン
コンパクトにアラビア文字の書体について知ることができます。
書体の名前の一覧はこちらです。
・ アル・アルズ体
・ アル・ワリード体
・ アル・カーヒラ体
・ アル・ルハー体
・ アーミン体
・ アニース体
・ バアルバック体
・ バグダード体
・ ベイルート体
・ ビブロス体
・ ディマシュク体
・ ディーワーニー体
・ ファイルーズ体
・ ハディース体
・ ヒジャーズ体
・ ジャラシュ体
・ ジッダ体
・ クーフィー体
・ ナジャフ体
・ ナスヒー体
・ ナスタアリーク体
・ ウマル体
・ ラビー体
・ ルカイ対
・ シェウェファ体
・ シドン体
・ シルワーン体
・ シリウス体
・ スライヤー体
・ タドモール体
・ スルス体
たくさんあります。
図説アラビア文字事典「Ra」のページ
例えば今、「RA」の文字のページを見てみましょう。
そこにある「ルカイ体」の「RA」の文字、、、もしよく知っている別のもので例えるとしたらひじきの柔らかくて、ぽってりした感じに似ています。
それぐらい自然体でぽんっと文字があるようなのが「ルカイ体」の「RA」の文字なんです。
ずいぶんと前にアラビアニスタさんのアラビア文字学習用に作ったビデオがありましたので、
「RA」の文字はこのように書きますという例で載せておきます。
アラビア文字の書体の「スルス体」
個人的に好きなのは「スルス体」です、とてもデザインが大振りでデザイン的にはっきりしていてわかりやすいのがいいです。
このインスタグラムにある文字は何と読むかといいますと、「ハー」「ミーム」です。
これはただ文字の、ハーとミームをかっこよく描いただけのものではありません。クルアーンの第41章の出だしが
ハーミーム(6拍)となっていることから、ハーミームの文字を書くことでこのスーラ(章)のことを表現しています。
ちなみにこの章の名前は「フッシラ」といって(解説された)という意味です。何が解説されているかといいますと天地が6日間で創造された理について書いてあります。また機会がありましたらどこかでこのつづきを。
アラビア文字の書体「ナスヒー体」
そのほかに、アラビア文字の印刷物でよく使われている書体は「ナスヒー体」です。元の文字の形から派手に変化するところがなく、
日本でいうところの楷書体に近い存在かなと思います。
あとは、手書き文字で使われる書体は「ルクア体」というのがあって、これは少し読むコツをしらないと本当に読めない感覚に陥ります。
ものすごく早くかけるのでかけるようになると便利です。
速記とかにも向いているんじゃないかなというぐらい、文字の線に起伏がなく、点々ももうちょっとはっきり書いて、、と泣きそうになるぐらい
走り書きというか、「走り点」です。(たまに点ないときあると思います)
でいま、このアラビア文字事典で手書きの時に使われる書体をさがしたのですが、「ルクア体」がみあたりません、もしかしたら「ルカイ体」のことでしょうか。そうかもしれません、
アラビア語の発音をただカタカナに移すとそうなるのかもしれないと思います。(リカアというのがもっと近いかもしれないです)
アラビア文字のこの書体を楽しむためには、まずアラビア文字の形全体を把握しておくのがいいと思います。
できれば「音」も一緒に覚えるのもいいですね。
一度日本のアラビア語書道の教室へ単発のレッスンに行ったことがありました、アラビア文字のさまざまな書体で「クルアーン」の一節などを
熱心に練習されていました。
そこで少し衝撃受けたのは、書いている文字を何と読むのかは分からないという方がおられたことです。
こんなに美しく、クルアーンの一節を書かれているのにそこに現れている音はわからない、、きっと純粋にアラビア文字をデザインとして作品にされているのだろうと思いました。
音も一緒にわかったらその美しさがどれだけもっと伝わるんだろうかと思いながら帰り道電車に揺られながら考えていたことを思い出します。